ひとひらのささめごと

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面白いことがあったので

クリスマスに面白いことがあったのでメモ代わりに。

毎年、クリスマスにはケーキを1ホール買うのが我が家の習慣。
と、言っても大して大きくはないですが。
普段は買わないし食べないけれども嫌いじゃないケーキを大手を振って食べる機会なわけですな。

さて、我が家は私を含めて4人家族。
私、両親、祖母。

祖母は少々認知症があるのと膝が悪いので母が介護をしています。
その祖母、認知症気味とはいえとっても健啖で母が気を抜くとすぐ太ってしまいます。
体重が増えると膝に悪いので(負担が増えて痛みが増す)ダイエットをさせているそうです。
ご飯を少なめにしたりとか、運動を多めにさせたりとか。
なので祖母の分のケーキは少なめにカット。

母は、ケーキ・パフェなどが大好物。なのですが患っている病気のせいで摂取タンパク質を制限しなくてはならないのでケーキも少なめ。

最後に父は退職してからメタボ気味でこれまたダイエット中なので少なめ。

3人で1/6ずつ食べ、私に1/2の割合になるのがいつもの流れです。
さすがに私も一回で食べられる量ではないので大抵1/4を食べ、翌日の朝食か夕食に残りをいただいています。

今回もそうなるはずだったのですが。

「お前、残すならもう少し俺にくれ」

珍しい発言をしたのが父でした。
甘いものは嫌いではないようですが決して好きでもない父が今回のケーキは気にいったらしいです。
昔気質の男で好き嫌いをめったに言うことはなく、出されたものは何でも平らげるけど褒めもけなしもしない人がお代わりを自分から欲しがるなんて、と驚いた私はそれなら、と残してあった1/4のケーキをちょうど半分に切って父の皿に乗せました。
まだおなかに余裕もあったので残りは自分の皿に乗せたその時です。

「だったら私にももう少し」

横から伸びたフォークが父の皿にあったケーキの1/3ほどをさらっていきました。

「おい・・・」
「娘が食べるのなら我慢するけどあんたが食べるなら私も食べたい」

娘としては喜べばいいのか父を気の毒がればいいのか大変微妙な気分になりました。

そもそも甘い物が大好きな母。病気のためとはいえ、めったに食べられなくなってしまったケーキが嬉しかったのでしょう。
父も困った顔をしていましたが、口はともかくケーキの皿を引くようなことはせず、好きにさせていたところを見ると止める気はなかったようです。

それを見ていて思い出したのはまだ小学生だった頃の父の誕生日。
幼い私はカットケーキを一つ買って父にプレゼントしたことがありました。
ところが、夕食の後でそれをおいしそうに食べていたのはなぜか母。

「それ、お父さんのケーキ!」
「お父さんが食べていいって言ったのよ」

びっくりした私が父を見やるといつものなんでもない顔で頷かれました。

「お前の気持ちはちゃんと貰ったからケーキはお母さんにあげた」

当時はまだ病気もなく、好きなケーキを見て食べたくなったのでしょうが娘から父へのプレゼントを横から自分がかっさらって食べるのは…
当然のような顔をしている母と別段気にした様子もない父を見た私は、次に父にケーキを買うときは必ず2つ買おうと決心したものでした。(じゃなきゃ父の口には入らない)

あれから優に20年…いや、30年は経っておりますが両親は変わらないなあ、と面白く思ったものでした。